悪石島に残る皆さまへ

静かに、けれど確かに揺れる大地のなかで
今も島を見守り、命を守りぬこうとしておられる皆さまに、
遠くからではありますが、心からの想いを届けたくなりました。

続く地震の報に触れるたび、
島に残ることを選ばれた皆さまの勇気と覚悟に、
胸が熱くなります。

牛たちの命を、家族のように慈しみ、
たとえ困難の中でも「共に生きる」ことを選ばれた皆さまの姿に、
私は、人間としての尊厳と優しさを見出します。

島を離れるという選択も、残るという選択も、
どちらも深い想いの末のことでしょう。
でも今、そこに在る皆さまの中には、
「不安」や「孤独」や「悔しさ」も、静かに息づいているかもしれません。
その選択は、美しく、誇り高く
守ろうとしている命は、
きっと、その優しさを全身で感じ取っていると思います。

そして、鹿児島市立病院から派遣され、
島の皆さまのために尽力しておられる看護師様へ。
医療者としての志、そして何より「ひとを想う」そのお姿に、
同心からの敬意と感謝を送ります。
どうかご自身の身体も大切に、時には空を見上げて、
少しでも安らげる瞬間がありますように。

この手紙に祈りを響かせられるでしょうか。
どうか、皆さまが心穏やかに過ごせますように。
そして、島に灯る小さな希望が、
いつかまた、安心の光となって戻ってきますように。

遠くから、心を込めて。

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