一通の手紙
コロナ集団発生の知らせを受けて
コロナが5類感染症になってだいぶ時間が経っています。
夏休みが始まる7月になりました。
これから本格的にスポーツイベントが待ち構えているわくわくの時期に
ある学校の中で新型コロナウイルスの感染が急速に広がったと知りました。
誰も責めることはできません。
ウイルスには意志がなく、ただ移ろい、ひとつの場所に寄り添い、通り過ぎていくだけです。
子どもたちに罪はありません。
教職員にも、保護者にも、誰も問われることはありません。
人は、環境と出会いで変わる存在です。
どんな子も、どんな大人も、より良い方へ育つことができる。
その可能性を疑いません。
この不安と混乱のただ中にあって、
教室や廊下で交わされるまなざしが、
せめて恐れや疑いではなく、温かな理解でありますように。
子どもたちを取り巻く空気が、厳しさではなく柔らかな光で満たされますように。
私はただ、祈ります。
何か特別な未来を願うのでもありません。
どうか皆が今この瞬間を生き、
それぞれの心に宿る力を見失わないでほしいと、静かに願います。
祝福を送ります。
生徒たち一人ひとりに、
そして、この場所に集うすべての人に。
どうか愛が届きますように。