9月9日

 九州や東北・北海道での異常気象や大雨、さらには関東地方でも続いた豪雨。自然の力の前に、私たちの暮らしの儚さを改めて思い知らされる日々です。政界にも経済界にも教育界にも、そして医療界にも、次々と課題が投げかけられ、新聞やニュースは落ち着かない話題であふれています。9月11日のアメリカ同時多発テロ事件が語り継がれるこの時期に、私たちもまた「忘れてはいけない出来事」に心を寄せています。

 そんな中、私は8日午前1時半前から4時過ぎまで、夜空に広がる皆既月食を見つめて過ごしました。最初から最後まで天体ショーを見届けたのは生まれて初めてのことです。気がつけば宇宙とひとつになったような錯覚のなかにいて、日ごろの悩みがほんの些細なものに思えてきました。

 月にまつわる物語や風習がいかに多いことか。日本人は昔から、自然とともに生き、月の光に心を重ねてきたのだと実感しました。そして、あらためて日本語の響きの美しさを胸に刻みました。

 ありがとう、すてき、うれしい、愛しています、たのしい――。
そんな言葉を、これからもっと口にしたい。朝焼けの空を仰ぎながら、私はそう思いました。今ある自分のありのままの身体が愛おしくなり、健康でいられることは、当たり前ではないから、せっかくいただいたものだから、大事にしようと感じました。今こうして呼吸していること、心臓が動いていることが、奇跡だと思うと、自然と感謝の気持ちが生まれます。

 出会いにありがとうございます。今日もたくさんの祝福がありますようにとお祈りしています。

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