私は今でも母に心配されています。
「身体は大丈夫か」
「無理をしていないか」
そう声をかけられるたびに、少し申し訳ない気持ちになります。
母は今年6月末に98歳を迎えようとしています。
人生の晩年に差しかかった私が、なお高齢の母に心配をかけているのだから。
けれど最近、その思いは少し変わりました。
これは親不孝なのではなく、母の愛なのだと気づいたのです。
母は今も月曜日から土曜日まで、午前中だけとはいえ歯科診療を続けています。
その姿だけでも驚きです。
さらに、その母を慕って患者さんたちが集まってくるのも奇跡なのです。
長年積み重ねてきた信頼と誠実さがなければ成り立たないことでしょう。
私はその姿を見るたびに、尊敬という言葉だけでは足りない気持ちになるのです。
人は年齢を重ねると、多くのものを失っていくと思いがちです。
しかし母を見ていると、そうではないように思うのです。
人生を真摯に生きてきた人には、年齢を超えて残るものがあると学びました。
人を思う心。
仕事への誇り。
そして人から寄せられる信頼。
そんな母が、今も私の身体を案じてくれています。
娘の年齢など関係ないのでしょう。
母にとって私は、いつまでも守りたい子、守らなければならない子なのでしょう。
母からいただいた血が私の身体を巡り、
母からいただいた命が今の私を生かしています。
そのことを思うと、感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。
お母さん。
私をこの世に送り出してくれてありがとう。
あなたから命をいただいたことに、心から感謝しています。